震災実況の元NHK宮田アナ、千葉で宮司に
1月5日14時46分配信 読売新聞
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| 「理不尽な死があってはならない」と語る宮田修さん=守屋由子撮影 |
阪神大震災の発生直後から7時間以上、被害状況を伝え続けた元NHKアナウンサーの宮田修さん(62)が今、出身地の千葉県で神社の宮司をしている。
縁があって頼まれた務めだが、宮司は人の魂の平安を祈る仕事。1月になると今も落ち着かなくなる心を抑え、17日は、あのとき名前を読み続けたおびただしい犠牲者を思って静かに過ごす。
15年前、大阪放送局で、朝のニュース番組の原稿を下読み中に激しい揺れが来た。約3分後に放送開始。
「地震です。逃げてください」と切り出そうかと思ったが、いつも通り「おはようございます」と、始めた。原稿はなく、報道フロアから回って来るメモを見ながら被害を伝えた。
阪神高速道路が横倒しになった映像が飛び込んできたとき「大変なことになった」と思った。死亡が確認された人の名を、読み上げながら、「なぜ、いきなり命を落とさねばならない」と、ずっと怒っていた。「正確に」と、自分を落ち着かせた。
トイレも行かず7時間。冷静な放送は高く評価され、自分でも最善を尽くせたと思ったが、事態を思えば複雑な気持ちになった。転勤後も、何度も思い出した。
東京在勤中の1999年秋、知人の宮司から「跡を継いでくれないか」と頼まれた。未知の世界だが、ふと、アナウンサー生活をふりかえった。「震災だけではなく、ほかの事件事故でも、一体、何人の死を伝えてきたか。魂を鎮める仕事もいいかもしれない」と、引き受けた。
通信教育で資格を取り、2003年から許可を得て兼務し、08年に定年退職後は、千葉県長南町の熊野神社など32社を受け持ち、地域の神事で祝詞をあげ、町の人たちと話をする。
17日は、新年の祭礼。氏子から聞かれれば震災当時のことを話すが、自分からは切り出さない。「亡くなった人たちのことを考えると心苦しい」からだという。